文化力(格差社会を乗り越えるために・)。

格差社会が社会問題視されて久しい。 世の貧富差は増したように言われ、勝ち組と負け組が、いつしか都会と地方に置き換えられて言われるようになった。

本県は有効求人倍率が常に全国の最下位周辺に低迷し、基幹産業の農業には明るい展望は見えない。 地元で新卒高校生の就職先を見つけることは至難の業だし、親たちが展望を見い出せない農業に、その子らはもっと期待を持てないのも至極当たり前のことであろう。

しかし、僕らはホントに貧しいのだろうか?

俗に言うバブル経済全盛期、僕は東京で生活していた。 当時は家族3人で、トンでもないほど狭く、そしてトンでもなく家賃が高い都会のマンションに住み、青森ではマンションが借りれる金額で1台分の駐車場を借りていた。 その他あげれば切が無いようなトンでもない物価環境で必死に生活していたものだった。  都会での生活は、基本的には現在も変わりはないように思えるが、どういう訳か?都会は豊かだという妄想が、僕らの周りにあるような気がしてならない。

持ち家であれ借家であれ、都会と比べて断然広い住環境で本当に恵まれた食生活を送っているのに、なぜ都会が豊かに見えるのだろうかと、僕はいつも不思議に思っている。 TVから流れるヒルズ族の生活や、トレンディドラマでOLが住むこジャレたマンションが、現実離れした虚構だと気付くこともできないのだろうか!

僕らは結構豊かに暮してる!・・のに、先が見えないから不安が募るんじゃないんだろうか?と、ふと思う。

・・・家庭の所得が高いほど、また親の学歴が高いほど、子どもの成績がいいという事実は常識で、教育における平等神話はもう存在しない。 小泉首相が登場した2001年頃を境にあらゆる平等神話は崩れ、特に家庭の所得格差が学力格差に結びついてしまった・・・などと、TVの討論番組で、とあるコメンテーターが偉そうに言っていた・・が、僕はそうは思わない。

たとえば、東大入学者の出身校が教育費の安い公立から高い私立へとシフトしていると言われるが、保護者の職業構成は以前と全く変わっていないことがわかっている。 このことは取りも直さず経済力とは違うファクターの、言わば文化力とでも形容すべきものがあるのではないかと僕は思う。

今、僕らのふるさとを振り返るとき、基幹産業を担う農家に文化力は果たしてあるのだろうか?

自分の生まれ育ったふるさとをきちんと評価できる子どもを、僕らは育んできただろうか?
農業に対する思いをきちんと子どもに伝えてきただろうか?
ダメなら農家を継げばいい!と、ネガティブな姿勢を子どもに発信し続けてはこなかっただろうか?
目的意識を持たせることなく、子どもに進学した既成事実をつくるためだけの進学をさせてこなかっただろうか?

僕らの文化力を上げ、自立心ある次世代を育てることが一番大切なことのように思えてならない。

格差がついたらそれで最後、二度とその格差を縮められることなく一生終わるのではないかという、将来に対する不安感・・・。それこそが、今の地方が抱える格差問題の本質!なような気がしてならない。



(追記) テーマが重すぎて論点が散逸してしまった感があるけれど、要は田舎なりの豊かさに対する価値観を見つめ直そう・・ということを言いたかったのだが・・。 文化力こそが格差社会を乗り越えると思う。

投稿者 matsumori : 2007/07/31

この記事へのコメント

さすが松森さんと敬意を改めて認識しました。ひなえはまぎれもなく、県民にはなったものの、元の中身は東京23区の人間。皆さんが経験したことが無い程、習いごとし、受験戦争を幼少から重ね、東進スクールで23時までも勉強し、五教科の偏差値をあげる為に否応無しに机に向かい69が限界だった。72をとるライバルをいじめたい気分になったものだと思い出す。それからぐれちゃったのだけど、幸いにも子に恵まれ、青森に嫁にきた訳。こちらのお子さんが想像も予想にも辿り着かない生活をしてきたのです。狭い住環境など含め、真の豊かさとは、心理と教養なんだと思います。せっかく素晴らしく厳しい環境にいても、都心を羨む気持ちばかりが先行している。千葉や群馬や埼玉を東京と言う、浅はかな意識が生活を貧困に導いている現実に誰も気付かず、東京にあこがれている。お気の毒な方々が多いと思いますね。青森在中、八年生となり不便も多々ありますが、この子育て暮らし悪くありません。あちらの暮らせばどのようなスタイルになるのか、全てわかるので、子育てをここでしているのです。都会に憧れるのはファンタスティクなネオンなのでしょうか?流通?外貨?。例えば所得の大半が生活維持費に消える現実を身に染みている私には、子育てのホームとしては選択肢出来ませんでしたし、生水を飲まずに生きてましたからね。東京と言う響きが、地元の方には、ステータスなんだろうか?と時折、呆れているのが本音です。

投稿者 異邦人 ひなえ : 2007年08月02日 11:55

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