
【5月30日に開かれた臨時議会で国保税がいとも容易く28.49%増税されたことは、先にここで述べたが、どんな問題点を内包しているのかを、収納率や滞納という観点から問題提起したいと思う。】
町が明らかにした収納率等のデータを解析すると、国保税の収納の難しさが見通せる。今までもそうであったように、さらに今回値上げされた国保税を、納税意志があってもできない人もいるだろうし、滞納がもっと進めば、きちんと納税している人にさらなる負担が集中することになる。
非常にラフな表現になるが、そもそも国保会計は基本的に国保税で成り立っていて、そこに国庫負担金や町の一般会計からの法定繰入で運営されている。 単年度実質収支が黒字であれば、国保安定化基金に剰余金は繰り入れられ、赤字であれば基金の取り崩しや、税率アップ、または一般会計から法定外繰入によって運営されるものであるが、財政規律上、法定繰入内で運営されるのが基本であろう。
現状の国保会計は従前の国庫負担金の引き下げ以降、医療費増も相まって、どの自治体も極めて厳しい運営を強いられている。
特に国保会計を厳しいものにしている大きな要因は、運営原資である国保税の収納率低下、収入未済額増による滞納繰越額の増大である。 その結果運営が厳しくなり国保税の引き上げとつながるのである。
卵が先かニワトリが先か?的な議論になるが、国保税を上げれば収納率はさらに悪化するだろうが、もし国保税を引き下げた結果、もし収納率が上がらなければ、(基金があれば)当然基金の取り崩しもしくは法定外繰入に頼る事となるのだが、このことに踏み出すことは、行政トップの重大な政治決断はもとより、町一丸となった対応が必要になることだろう。
町当局は今回の引き上げを、(私の主張とは異なり)後期高齢者医療制度支援金分の増税だというスタンスをとっているが、切り口を変えると、滞納額が増えた結果として引き上げたという側面があることは否めない。 結果として取りやすいところから取るとも考えられ、そこから更に法定・法定外繰入による税投入問題も絡み、善意の納税者視点からすると、公平性の原則を崩しかねない懸念もある。
現状では滞納者に対して短期保険証や資格証明書交付という手続きが行なわれ、このことがある種の保険制限として位置付けられているが、決して制裁的運用は行なわれていず、法に則った厳格な運用をすべきかは、非常に難しい判断になっている。
医療費抑制抑制という大義の下、国は規定収納率に届かない自治体にはペナルティーを課している。つまり、滞納の責任は自治体に重くのしかかる制度になっているのだが・・。
しかし、今回の増税で、昨年度実績を上回る収納率を上げることは困難だろうし、大きな収入未済が発生することだろう。
町の存続さえも揺るがしかねない国保問題について、全町民を巻き込んだ議論を今からでもしてみてもいいのではないだろうか。
そうでなければ、町民に今回の増税は受け入れられない気がしてならない。
2008.6.6 松森俊逸