
(序文)
少子高齢化や過疎化が急進展する中で、地域経済はここ数年で停滞局面から後退局面へと、沈下速度を増しているのが現在の板柳町を取り巻く環境であると私は考察します。
しかし、景気回復や雇用の拡大により地域経済を活性化し、町民福祉の向上と地域社会の振興、さらに都市部との格差解消を図ろうとしても、国策やグローバリズム等に起因する経済構造や経済情勢の著しい変動への対応は、当町のような小規模自治体の範疇を超えているのも事実です。
今後、地方分権の更なる推進に伴い、歳出歳入の一体的抜本改革という大きな行政課題に直面することになるでしょうが、これからの板柳町が自己責任のもと、自己決定し自己完結するためには、無駄を削ぎ落とした的確な行政運営を図ることこそが肝要と考えます。
また、社会環境の変化に沿って町民ニーズは多種多様になっていますが、その中で町民生活の向上に資するために何を優先し、かつ効果的に行なえるのかを見極める、事前の事業評価も厳格に行われるべきものと考えます。
そのためにはまず行政情報開示を徹底し、責任所在を明確にすることが基本であると私は確信しています。
そのような思いから、今回の質問事項に入ります。
(町財政)
平成20年度普通交付税の配分額が八月十五日に決定し、当町には25億677万6千円、対前年度比0.2%増の配分がありました。
これは当初予算に比べ1億9,677万6千円、比率にして8.5%多い配分額となっています。
私は先の六月議会で、頑張る地方応援プログラムに関し、三年間の継続事業であることや同プログラムの評価年度等に鑑み、当初予算歳入で普通交付税予算の見積もりが過少ではないかと質しました。
それに対して町長答弁は、過大見積りは慎むように県から指導されているので、同プログラム普通交付税分は3,000万円を見積もっているというもので、課長答弁は、複雑な数式をもとに算定され安易に昨年度の結果を踏まえられないというものでした。
私は歳入見込み額を当初予算案より1億6,779万円多い24億7,779万円という額を想定し、ひょう害農家支援や国保税軽減等に更なる配慮をすべきと考えましたが、町長は過大だと言い、担当課長は危険だと評価しました。
先程も述べましたが、私のようなものでは理解できないような複雑な数式を駆使して町当局が組んだ予算より、結果として1億九9,677万六千円多い、対当初予算比8.5%増の交付額が決まり、うち頑張る地方応援プログラム分は1億5,170万3千円配分されました。
この歳入増は町財政にとって好材料ではあることは言うまでもありません。
しかし、8.5%という額は予算見積もりの精査度という観点からも想定誤差を明らかに超えるものではないかと私は問題視します。
以上から
①平成20年度普通交付税の配分額決定に付き、その所感はいかがか。
②当初見積額との差額の使途はいかがか。
(町税)
町財政歳入において地方交付税に次いで重要なものは町税収入であることは周知ですが、交付税と違い町税には収入未済が生じます。
平 成19年度町税決算では1億7,964万9千円の収入未済額が発生し、208万2千円を不納欠損処理しています。
不納欠損とは、地方税法および自治法で納められる見込みがない税を徴収対象から外す公会計上の処理で納税義務が無くなることですが具体的には滞納者を調査の上、①徴収できる財産がない②生活困窮③行方不明と判断した場合、差し押さえなど処分の執行を停止した後、その上で将来も回収不能が明らかな場合や、執行停止後三年、もしくは納税義務の時効五年が成立した場合に不納欠損として計上できることになっています。
これらの不納欠損金は、本来納税者が納めるべきものが結果的には収めずに済んでしまうので、安易に回収不能と判断すべきではない・・とか、そうなる以前に徴収努力しろ・・というのが町民の一般的な思いではなかろうかと考えます。
会計処理上は回収不能の税を放置できないので、不納欠損処理は必要と思うが、町税収納率を高めるためや情実で不納欠損処理が行われるようなことがあってはならず、税負担の公平性を保つ上では、町民感情を重要視し、できる限り不納欠損額を低く抑えるべきと考えます。
地方税収の不納欠損率が全国平均で0.6%~0.7%であることを考えると、当町の場合、平成18年度と19年度の平均が約0.6%であることから平均的であるとは解せますが、更なる適正徴収に努めるべきと考えます。
以上から
①平成十九年度決算における不納欠損額の内訳はいかがか。
不納欠損処理額の推移はいかがか。
(国民健康保険税)
平成19年度国民健康保険事業特別会計決算において、1,527万四千円の赤字が計上されました。
併せて3億1,849万六千円の収入未済額が計上され、781万7千円を不納欠損処理しています。
この結果から、もっと収入未済額および不納欠損額が圧縮されていたなら、赤字決算をしなくてもよかっただろうし、場合によっては5月に行なわれた国保税の大幅増税もなかったかもしれないと思うのと同時に、国保被保険者の受益の公平性について考えさせられます。
このことを逆説すれば、以前でもこのような実態なのに、地域経済が沈滞する現状のもとで大幅増税した今年度の徴収状況を鑑みるに、その影響は大なるものがあると思います。
以上から
①第一期納税状況において、対前年度同期と比べ遅滞状況はいかがか。
②本年度の収納見通しをどう考えるか。
(板柳保育所)
私は過去二回の定例会で保育所問題を質してきました。
3月議会では既に民間移譲が行なわれた保育所が、どのような経緯をたどったのかを、また六月議会では、平成十七年度に民間移譲を行なったわずか前年度に、町の保育所設置等に関する基本計画である、保育所統廃合実施計画を策定し、その中で板柳保育所を公立として残し、民間との競合により保育の質向上を図ると明記していたことに疑義を持ち質しました。
それについての町長答弁は、これまで民間移譲の方向で方針は変えていず、議会の了解を得てやってきたことというもので、平成16年度に町当局の板柳町統括保育所が策定した保育所統廃合実施計画の存在そのものすら否定するかのような物言いに私には聞こえました。
当時の所管委員会議事録にも保育所統廃合実施計画の変更等を示す記録はないと聞いています。
私が単に板柳保育所の民間移譲に反対だと思う人がいるならそれは早計です。
私が知りたいのは、いつどのような具体的手続きを踏んで今のようなことになったのか、ということで、きちんとした情報公開のもと、町政運営の原理原則に沿った対応がなされていたのかということなのです。
そういう意味で、私は保育所問題についてまだ釈然としない思いは未だありますが、町民の代表たる他の議員各位がこのことに異論無きようにうかがえますので、今回は来春に差し迫った板柳保育所の民間移譲について一点だけ質したい思います。
①具体的な公募内容はいかがか。
(保育所問題)
平成17年度に6保育所が一括で町内社会福祉法人に民間移譲されて四年目の現在、当該法人が運営する6保育所のうち、定員割れや施設老朽化、および保育体制等でいろいろな事態が生じていると聞くが
①六保育所の統廃合について何か情報はあるか。
②当該法人が町から移譲を受ける過程で特別保育実施を述べた事実はあるのか。
(ふるさとセンター)
平成20年度一般会計当初予算で、ふるさとセンターに係る経費は総額1億1,317万5千円で、内訳は二名分職員人件費が1,674万9千円、財団法人板柳町産業振興公社りんごワーク研究所への交付金が8,330万円、さらに光熱費などの需用費その他が1,312万6千円となっています。
町の行財政改革の一環で行なわれる集中改革プランでは、来年度ふるさとセンターに指定管理者制度を適用するとしています。
現行ではふるさとセンター施設の管理委託を財団法人板柳町産業振興公社りんごワーク研究所に対し、管理要員の最小限人件費のみで行なっているということが事実なら、現在の管理水準を維持する前提では、指定管理者制度を導入しても一般会計からの委託費は変わらないものと解すのが妥当と考えられます。
つまり換言すれば、ふるさとセンター施設が町有財産である以上、修繕更新は町が行なわなければならないし、施設維持を最小限で行なっているならば、合理化できるのは先程も述べた二名の人件費1,
674万9千円だと考えられるのですが、どのような形態での指定管理者制度を模索されているのか、教えていただきたいと思います。
以上から
①来年度、指定管理者制度にどのように移行するのか、その公募内容およびスケジュールはいかが か。
②指定管理者に委託する効果はいかがか。
③ふるさとセンター職員二名を財団法人板柳町産業振興公社りんごワーク研究所に併任職員として 据えておく必要性はいかに。
(公社民営化)
板柳町が5千万円全額出資している財団法人板柳町産業振興公社りんごワーク研究所の経営状況報告が6月議会でなされたが、事業活動収入で5億3,200万円余の収入を上げ、しっかりと2,300万円余の黒字を計上し、資産から負債を引いた純資産である正味財産額が2億3,234万2千円となっていることに感嘆の思いでした。
職員の福利厚生方も進み、町内企業でも優良であろうと思いますが、これも平成2年設立以来の長年の自助努力の結果、内外からの信用力も磐石のものがあるものと推察します。
私はこのような状況を踏まえ、
①財団法人板柳町産業振興公社りんごワーク研究所を民営化して一層の飛躍を考える時期ではない のかと思いますがいかがか。
(板柳町産業振興公社りんごワーク研究所)
次に財団法人板柳町産業振興公社りんごワーク研究所について質問します。
まず、私が当該質問を行なうにあたり幾度かの調整を要しました。それと言うのも、町理事者および議会が町が出資した法人への質問は一般質問の範囲には入らないとの判断をしてきたからです。
しかし、県町村振興課等に照会したところ、地方自治法上、財団法人板柳町産業振興公社りんごワーク研究所について質疑できないという根拠条文はなく、標準市町村議会会議規則で判断すべきとの回答を得るに至りました。
その中で質疑可能なことが、地方公共団体の債務保証等の財政措置の適否等についてと、地方公共団体の長のこれらの法人に対する監督権限の行使についての二点ありました。
以上から
①町出資金はどのように利活用されているのか。
②町が債務保証している借入れや事業はいかに。
③財団法人板柳町産業振興公社りんごワーク研究所を特にどのような監督をしているのか。
(商工業対策)
近年、市街地商店街を見るにつけ、もう商店街とは形容できないような有り様を露呈しています。
町外資本の大型店ですら商圏人口に対して飽和状態に見受けられるのに、町内の個人商店に至っては、経営状況が好転するとは到底思えません。
行政が主導するには非常に対応が難しい問題だとは思いますが、町内商店の少しでも売り上げ向上に直接繋がるような施策なり対策なりはないものか伺います。
(人口定住対策)
当町人口が1万6千人を下回り1万5千人代になって数ヶ月になりますが、近年の人口動向を考えれば、今後加速度的に減少するのではないかと、非常に危機感を覚えます。
たとえば、旧町内はインフラ整備等に莫大な費用を投入したにもかかわらず、空洞化が進みつつあり、費用対効果面から考えても将来に向け非効率な状態になっています。
土地の流動化を刺激し、旧町内の空土地活用に向け、対策等を強化すべきと考えますが、人口増に向けた方策はいかがか。
(体育館耐震対策)
6月議会で町長が体育館の耐震問題に関し、2011年度から5カ年の国の地震防災緊急事業に乗せて建て替える旨を答弁したのが、六月九日のことでした。
その後6月21日の地元紙に県内公立校の耐震問題に関し危険度大37棟の報道があり、小阿弥小がその中でもワースト2であることがわかりました。
さらに、県教委が6月26日、2010年度までの特措法による耐震化を市町村長への直接的な要請も視野に入れながら市町村に対する働き掛けを強める方針を固めたとの報道に接しました。
町当局が目指す2011年度からの事業にしても、国の事業認可が確実だとは言い切れません。
それなら、今現在県教委も積極的な事業で耐震化を図ることも再考すべきでは思います。
以上から
①平成22年度までの地震防災特措法による事業は考えなかったのか。
②学校現場における地震発生時の児童生徒への具体的な対処方法はどうなっているのか。
(教育委員会の点検評価)
地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により今年4月から、新たに教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価等が規定され、その実施が義務づけられました。
その要点は
1、教育委員会の策定した基本方針に基づく事業等の点検及び評価。
2、点検及び評価は学識経験者の意見を聴取した上で、教育委員会において行う。
3、教育委員会において点検及び評価を行ったのち議会へ報告書を提出する。
4、報告書は住民へ公表する・・などです。
また、この点検及び評価は教育行政の基本方針の策定と同様に教育長に委任せず教育委員会が管理・執行しなければならない事務として地教行法第二十六条の二に位置づけられていることから、この質問は教育委員長に対して行なった方が妥当だったのかと、今ここで思ったりしていますが・・。
以上から
①どのような基本方針が策定され、それに対してどのような点検・評価を行なうのか。
②報告書の様式は各教育委員会へ委ねられていると思うが、どのようなものにするのか。
③議会への報告方法及びその時期はいかがか。
(学校支援地域本部事業)
当初予算に計上された文科省委託事業の学校支援地域本部事業がようやく動き出したと聞き及びました。
学校現場では多様な問題を抱えており、教員の教育活動以外の業務量が増え、この状況を改善し、地域全体で学校教育を支援し、地域ぐるみで子どもの教育を推進し、地域の教育力向上などを図ると、政府広報には記されています。
ふるさとの将来を担う子供たちを地域全体で育てるという環境の醸成にも大いに役立つものと、私は本事業に期待しています。
そこでお聞きします。
①各校の事業内容はいかがか。
②板柳中学校に必要ないのか。
(学校再編)
少子化の傾向は当町でも例外ではなく、新入学児童生徒数調査では、平成二21年度から平成26年度までで、概ね半数に減少することがわかっています。
具体的には板柳北小が62から33、板柳南小が51から26、小阿弥小が24から11、板柳東小が17から11というようになっています。
時代の変遷を考察すれば、過去のような児童生徒数になることは有り得ず、ならば現実に即した施策を講じることが町政に課せられた使命ではないかと私は思います。
先達の時代から教育の町を標榜して止まない当町が、今後を先見しながら小学校の再編へ向けた行動を起こす時期ではないかと考えるのは私だけでしょうか。
学校施設は年々老朽度を増し、その維持運営には、再編という合理的対策が不可欠という思いからお聞きします。
①学校再編の必要性について所感はいかがか。
②複式学級の編成見通しはいかがか。
以上、通告の14項目の質問を終えますが、結びにあたり私の質問姿勢について一言申し添えます。
私のもとには、過去に議会で議決したことを蒸し返すのはいかがかとか、町民の不安を煽るのはいかんとか、非常に稚拙な批判が参ります。
しかし、時代の変遷の中、その時々で人の価値観も変わり、政治もしかりです。
過去に議決したものが未来永劫なものなら、法改正や条例改正など不要でしょう。
また、現実の実態を質すことは、不安を煽ることにはならず、むしろ情報を隠すことの方が町民の大いなる不利益となると考えます。このような姿勢でこの度も議会に臨んでいますので、情報公開という理念で答弁願えればと思います。